「柴咲コウさんが演じる妻・由紀や、山﨑七海さんが演じる娘・観月との場面では、長い間、会話も触れ合いも避けてきた者同士が相手に触れます。しかし、実際に撮影を重ねると、この家族が一瞬でも触れ合うのは、とてもハードルが高いことがわかりました。
どうすればこの家族の距離を縮めることができて、相手に触れられるのか。監督を交えて、現場で入念に話し合いました」
大げさな感情表現ではなく、食べることや触れるといった日常で発生するリアルな動作によって人物を見せる。それが、本作で西島が求められた演技だった。
「満島さんは、表現するために生まれてきたような方」
本作には、実際にスペシャルニーズのある子どもたちが出演している。撮影では、移動中も含めて万一の事態に対応できる医療態勢が整えられた。
「実現するまでには、相当な時間と多くの方々の尽力があったと思います。中島監督は、実際の当事者の皆さんと一緒に映画を撮ることにこだわっていました。そのための準備や現場でのケアからも、この作品に臨む並々ならぬ覚悟を感じました」
そこで西島が感じたことは、障害の有無に限らず、あらゆる人間関係に通じるものだった。
「自分が誰かを支えているつもりでも、実はその人の存在に自分が支えられていることもあります。人は互いの関係の中で支え合い、助け合いながら存在している。そうしたことに気づくきっかけになれば、とてもうれしいです」
佐竹のもとで探偵修業をし、持ち前の感受性の豊かさから事件に深くのめり込んでいく聡子。その聡子を演じた満島ひかりとは、今回が初共演となった。
「満島さんは、本当に表現するために生まれてきたような方です。何度本番を繰り返しても、すべてがその瞬間に生まれた感情に見える。佐竹を演じながら、僕自身も心を動かされるような瞬間がありました」


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