「探偵や刑事は、事件の外側に立ち、真相を追っていく役であることが多いと思います。ただ、今回の佐竹は、事件と自分の過去が直接重なっているわけではないものの、同じ事情を抱えている。だからこそ、その事件にのめり込まざるを得ないんです。
同時に、事件を追えば追うほど、自分自身の過去とも向き合わざるを得なくなる。見つめなければならない一方で、本当は見たくない。そうした相反する感情を抱えながら、事件の核心へと進んでいきます」
佐竹自身もまた、かつて家族から逃げたことへの、取り返しのつかない後悔を抱えている。
「過去に取り返しのつかないことをして、その過去にとらわれている人物です。今は背負っているもののために、ただ生きている。ある意味、惰性で、後ろ向きに生きているような人間だと思います。
ただ、人間ですから、心のどこかでは未来や世界に対して希望を持ちたいと思っている。そういう人物だと考えて演じていました」
一方、物語の背景には、病気や障害などにより、生活や学習に特別な支援を必要とする「スペシャルニーズ」のある子どもたちと、その家族の現実がある。障がいや病気のある兄弟姉妹を持つ「きょうだい児」にも光が当てられる。
「僕がそれまであまり触れることのなかった、スペシャルニーズのある子どもたちや、そのご家族、きょうだい児が抱えている率直な思いが、とても丁寧に、リアルに描かれていました。
綺麗事ではない厳しい現実を描きながらも、その先には世界や人に対する希望がある。そうした素晴らしい脚本だったので、ぜひ参加したいと思いました」
「中島哲也監督が取り除いた“映画らしい芝居”」
中島監督と西島が組むのは、今回が初めてだった。撮影では、俳優が無意識に選んでしまう“映画らしい芝居”を取り除くことが求められたという。


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