駅前一等地の変わらぬ光景
そのなかで、古くから変わらない光景もある。
2013年に出版された『怪しい駅懐かしい駅 東京近郊駅前旅行』によると、祐天寺駅北側では植木屋さんの庭石がゴロゴロと置かれており、このあたりは1947(昭和22)年の航空写真と比べてほとんど変わっていないそうだ。
「祐天寺駅の北側は1927年の開業以降、商店街は生まれず、大規模な宅地開発もされず、ただ樹木が伸びただけである」「こんな都会の真ん中で、駅の傍が庭石と豊かな緑で占められているのは素晴らしい」とも書かれている。
実際に見に行ってみると、2026年の今でも多数の石がゴロゴロと置かれていた。駅からすぐの一等地で広範囲にわたって、緑と石の光景が広がっているのだ。
祐天寺は江戸の近郊農村から、東横線の開業を機に市街化され、現在に至るまで駅の姿が変化してきた。しかし、古くから変わらない光景も残っている。
新たに生まれた駅ビルも地上6階建ての比較的小規模なもの。市街地再開発事業は行われず、高層ビルや大型商業施設、タワマンは建てられていない。
祐天寺はなぜ再開発されないのか、後編ではその理由を分析する。


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