追い風となっているとみられるのが、AIの社会実装と国内投資の加速だ。昨年10月に発足した高市政権がまとめた日本成長戦略では、17の戦略分野における官民の国内投資額を370兆円超(40年度までの累計)と想定する。このうち「AI・半導体」分野は101.6兆円と突出して大きい。経済安全保障の観点から政府によるAI分野への支援も目立ち、国内におけるGPU需要は高まってきている。
もっとも、わずか1年前の時点ではGPUの需給は正反対の状態だった。
さくらは24年1月以降、経済産業省の支援を受けながら、GPUをクラウドサービスとして提供するビジネスを本格化させた。27年末までに計1万基のGPUを段階的に調達する計画で、投資額は約1130億円を見込み、その半分程度を国の助成金でまかなう想定だった。
24年度までに2800基超のGPUを稼働させると、計算資源は即座に完売。業績も急伸し、同年度の売上高は前期比43.9%増の314億円、営業利益は同4.7倍の41億円に急拡大した。
しかし、当初2~3年は続くと見込んでいた勢いは25年度に入って失速する。25年4月ごろ、GPU「H100」約800基分を利用していた大口顧客が離脱。さくらは穴を埋めるだけの新規顧客をすぐに見つけられず、新たなGPUの大量調達も進めていたため、苦戦を強いられた。同7月には田中社長自らXで、「GPU、それもH100がめちゃくちゃ余っています!」と投稿し、利用を呼びかけた。GPU関連サービスを約3割値下げして販促を進めたものの、同10月下旬時点でも「半分くらいがようやく埋まった程度」(田中社長)だった。
マイクロソフトとの協業が持つ意味
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