オールホイールステアリングは60km/hまでは前輪と逆位相で最大5度、それ以上では同位相で2.5度、それぞれ操舵される。実際、わかりやすく小まわり性能は優秀で、駐車場での取りまわしは良かった。加えて一般道路や高速道路では、重厚な乗り味でゆったりとした走りと、過度な遅れを伴わずハンドル操作に反応する俊敏性、この二律背反を見事に両立させていた。
ところで、ご存じのように中国市場を意識した欧州御三家(アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ)のBEVモデルでは、意図的にデザイン上の押し出しを強めている。ラギット感などとも表現されるが、前後のライティングシステムとの連動で、見る者にきらびやかな印象を与える。
よってここは好き嫌いがわかれるが、今回のA6やA5の内燃機関モデルでは、ドイツ車が大切にしてきた質実剛健さを現代の工業技術で再現していると強く感じた。一種の安堵感のようであるが、単なる懐古主義ではなく、随所に大人びた華やかさがある。
アウディ独自のエンタテインメントシステム
その大人びた華やかさの一例が、オプション装備となる「MMI experience proパッケージ」(50万円)に含まれる「体感の世界」だ。
これは「リラックスした世界」、「安定した世界」、「刺激的な世界」としてプリセットされた3つの世界観を、14.5インチのMMIタッチディスプレイ(センターディスプレイ画面)から任意に選択することで、インテリアライト/エアコン/サウンド/リラクゼーション/Audiドライブセレクトが一度に変更され、アウディが目指した世界観が提供される。


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