そうした中、高市首相は「熊本地震への対応を優先するため、お盆休みも里帰りやホテルでの静養などは見送り、公邸住まいを続ける」(側近)とみられている。これについて、首相周辺は「熊本地震の被災者への対応と並行して、秋の臨時国会での最重要案件となる消費税減税関連法案の策定や、その前に想定されている内閣改造・党役員人事の与党内根回しなどに専念するため」と解説する。
そのため、高市首相は歴代首相の多くが行ってきた夏の外国訪問も見送り、9月中下旬のニューヨークでの国連総会までは国内で過ごすことになる。
そこで政界関係者が注目するのが、当面の最大の政治的行事ともなる8月15日の終戦記念日に高市首相が靖国神社を参拝するかだ。
高市首相にとって、「在任中の靖国参拝は実質的な“公約”でもあり、高市支持とされる保守層の多くが期待している」(政治ジャーナリスト)。それゆえ、「いつまでも参拝しなければ、保守層の支持を失う」(自民党長老)ことは避けられそうもない。その一方で、「もし高市首相が終戦記念日の参拝を強行すれば、中国との関係はさらに悪化し、改善が進んできた日韓関係も過去に逆戻りしかねない」(外務省幹部)。
多くの政界関係者は「秋の臨時国会や来秋の自民総裁選をにらめば、参拝見送りの選択肢しかない」(自民党執行部)と予測。こうした状況も踏まえてか、複数の政府筋は12日までに「高市首相は参拝を見送る意向」と漏らした。
課題山積で寝苦しい夜が続く首相のお盆休み
お盆休みがスタートした10日、高市首相は昼前に首相官邸に“出勤”し、熊本地震の非常災害対策本部会議に出席。夕方には、混迷が続くイラン情勢に絡めて、オマーン国王との電話首脳会談をこなした。
祝日の11日を挟み、12日も官邸入り。イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領との電話首脳会談で、ホルムズ海峡に関して「追加的費用」が徴収されない形で自由で安全な航行が確保されるよう求めるとともに、「バベルマンデブ海峡の現状を深く懸念している」と伝えるなど、首脳外交への積極的な取り組みとその成果をアピールした。
高市首相周辺は「(首相の)まとまった夏休みの予定はない。出勤するかどうかは、その日にやるべきことがあるかどうかで判断する」と説明。「平日に休みを取る場合も、首相公邸で数日過ごすだけ」との見通しを示す。
歴代首相は、外遊以外のお盆期間、別荘やホテルで夏休みを過ごす例が多かった。ただ、高市首相は「0~3時間睡眠」のSNS投稿が波紋を呼んだだけに、「国民的にも夏休みを取るかどうかが注目される状況」(官邸筋)だ。お盆休みも公邸住まいを余儀なくされる高市首相にとって、人事や臨時国会の乗り切り策を考えると、結果的に“眠れぬ夜”が続くことは避けられそうにない。


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