なお著者によれば、良いたたき台にあるものは以下のようになるという。
・複数の視点(価格、サポート、顧客満足度、トータルコスト)
・競合の強みだけでなく弱みも分析
・値下げ以外の選択肢を検討
・差別化ポイントが明確
・定量的な根拠
(15ページより)
確かに上記のたたき台は、これらを見事に満たしているのではないだろうか。そして、こうして確認してみるとわかることがある。上司が求めているのは「情報量」ではなく、「見当の抜け漏れがないこと」だという点だ。
言い換えれば、「深く考える=たくさん調べる」ではないのだ。それより重要なのは以下のポイントだと著者は言うが、充分に納得できる話である。
・選択肢を比較検討しているか
・判断の根拠が明確か
・実行した場合の影響を考えているか
(16ページより)
これらを踏まえたうえで、「スジが悪いたたき台」は、大事なポイントに抜け漏れがある状態」なのだと著者は指摘している。冒頭で、数十年前の私がたたき台づくりで「やらかした」ことを明かしたが、あれはまさにそんな状態であった。
ポイントに抜け漏れがあるからこそ、前提の理解、打ち手の検討、期待成果の設定がズレてしまうわけだ。
いまの時代に「叩かれる」ことが必要な理由
先に触れたとおり著者は、“ボコボコに叩かれる「たたき台」”の重要性を強調している。「ボコボコに叩かれる」という文言だけに意識を偏らせてしまうと、「いやいや、いまは叩かれることが重視される時代ではないでしょ」などと解釈もズレてしまう可能性がある。
だが、そういうことではないのだ。少なくとも質の良い仕事をしていくためには、「叩き、叩かれ」ながら仕事の質を高めていくことには大きな意味があると考えるべきではないだろうか。
叩かれる前提の「たたき台」を作り、
フィードバックによって、強くなる。
冒頭に書かれているこのフレーズに、すべてが集約されているように思う。


※ログイン後、コメント入力が可能です。