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「映画ちいかわ」に大人がはまる! 労働・不穏・昔話の要素が織りなす"説明不能な魅力"の真相

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ちいかわ
(画像:『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』公式サイトより)
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明確な起承転結やオチのある話ばかりでもない。ちょっとした食べ物を手に入れた、草むしりの仕事をした、妙なものに遭遇した、といった出来事が、短いページの中で淡々と描かれる。ほとんど何も起きないように見えることもあるし、突然大きなことが起こる場合もある。

そこには、読者を笑わせたい、泣かせたい、驚かせたいといった作者のサービス精神が、少なくとも表面上は感じられない。作者は特定の目的を目指して物語を進めているというより、どこかに本当に存在している奇妙な世界をありのままに観察して描写しているような感じがする。

「ちいかわ」の世界には、現実社会を思わせる要素も多い。キャラクターたちは働き、報酬を受け取り、資格試験を受けたりする。欲しい商品を買い、飲食店を利用し、懸賞に応募する。現実に存在する食べ物や商品が、そのまま物語に登場することもある。かわいらしい幻想世界でありながら、労働や消費、競争といった、生々しい現実の仕組みが部分的に入り込んでいる。

現代社会を風刺?というわけでもない

そのため、「ちいかわ」は現代社会や労働環境を風刺した作品ではないかと言われることもある。ちいかわたちの姿に、働いてもなかなか報われない現代人を重ねる見方もできる。だが、それだけで作品全体を解釈すると、どこか物足りない。

「ちいかわ」の世界に労働が存在するのは事実だが、それが人間社会のわかりやすい象徴として描かれているわけではない。草むしりや討伐が、現代の労働者の生活を直接表しているようには見えない。社会風刺として読むことはできなくもないが、作品が読者にそのような読み方を強く求めている感じはしない。

世界の仕組みについても、詳しい説明はほとんどない。なぜ彼らは働いているのか。誰が仕事を用意し、資格制度を運営しているのか。あの世界には国家や行政があるのか。怪物はどこから来るのか。キャラクターたちは何者で、どのように生まれたのか。物語が続いても、根本的な疑問の多くは明らかにならない。

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