新卒者の賃上げ報道が続く一方、30~40代を中心に「自分の将来の給与がどうなるのか分からない」という不安が広がっている。本連載では、給与水準そのものよりも、「3年先の見通し」と「報酬の透明性」を軸にキャリアを考える視点を示したい。特に生活に直結する「未来の手取り」を起点にすることで、働き方をより具体的に考えやすくなる。
第4回は、将来像を知るための宝の山である統合報告書や人的資本レポートなど企業の開示情報について、その活用法を解説する。
【配信予定】
⑤「もう辞めたい」の衝動に流される前にキャリアは3年先を起点に逆算して考える(9月4日)
「転職すべきか、残るべきか」を悩み始めたら
前回、ご紹介したABCDE分析を行った後に、本気で別の職場に移ることを検討することになるかもしれない。
転職すべきか、今の会社に残るべきか。
その際に、求人票の年収レンジや口コミサイト、平均年収データなどを現在の自分の給与と比べるのは、ごく自然なことである。
ただ、そこから見えるのは、あくまでも今の姿にすぎない。本当に重要なのは、その先だ。この会社で3年後、5年後、自分の給料や働き方はどうなっているのか。会社選びで確認すべきなのは、現在の給与額だけではない。数年後にどのような給与や成長機会、働き方を得られそうかという「未来の手取り」である。
その手がかりは、意外にも企業が対外的に開示している情報の中にある。本来は投資
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