――17年のインシデントでは、教職員や学生、一部の学外関係者の個人情報が約8万件漏洩しました。大学ならではの課題をどう捉えていらっしゃいますか。
大学は教職員や学生がたくさんいるのでいわば“個人情報の宝庫”ですが、企業に比べ、企業でいう部署数が膨大であることからも、管理がすべて見通せておらず運用が疎かだったことは否めません。それでも何とか問題なくやれてきたのですが、とうとう事故を起こしてしまったのです。
また、大学は企業との共同研究を通じて、遺伝子ゲノム情報など非常に高度な研究データを扱っています。17年の事故では幸い、こうした知的財産に関する情報は守られましたが、もし漏洩すれば被害は大学内にとどまりません。共同研究先に甚大な損害を与え、裁判沙汰になるリスクもはらんでいます。
事故によって本学もようやくその重要性に気付き、とくにオンライン化が進んだコロナ禍頃以降は加速度的にセキュリティ対策が強化されていきました。
「何かあったら早く報告を」の徹底
――現在のセキュリティチーム「OU-CSIRT」はどのような体制ですか。
教員と技術系職員など8名ほどで構成されています。特定の部局にメンバーが集中すると、学内全体を見渡す視点が欠けてしまいますので、各部局でネットワークに詳しい人などを推薦する形を取っています。全員、本来の業務と兼務です。
事故後は対応・報告ルートなどを明確に定めました。また、メンバーには何かあったら些細なことも含めてとにかく早く連絡をくれと言っています。迅速な情報共有があれば、関係各所に連絡できますし、ケースによっては警察とも連携できます。初動が大事だと常々伝えています。

