恋に落ちた四方田と鈴木は、残された娘の勧めもあり、入籍した……のだが、警察には「夫婦は同じ部署に所属してはいけない」という暗黙のルールがあるらしい。さらに、2人は警察職員が夫婦になる際に提出するべき届け出を出さず入籍したため、周囲にバレると問題になってしまう。
そこで、経歴に傷がつくのが嫌な署長と、島流しを避けたい夫婦は「四方田と鈴木が結婚している事実」を3人だけの秘密にすることに。こうして、職場では別姓で働く夫婦がバディとして事件を追いかけていくーーというストーリーだ。
「夫婦別姓」というタイトルながら、その言葉のイメージである「お互いの姓を変えたくないから事実婚状態で共に暮らしている」なんてことはなく、単に職場で妻が旧姓を使っている程度だった。ネタバレになるので詳しくは説明できないが、いずれにしても世間でいうところの「夫婦別姓」とは異なる意味で使われている。
最終回まで視聴したうえで感じたのは、「タイトルがあまりにも本筋と関係ないのに、このタイトルで良かったのか?」という疑問だ。妻を殺された刑事が心血注いで犯人逮捕に挑むストーリーがメインなのに、本当にこれで良かったのだろうか。
と、タイトルへの疑問を感じたわけだが、そもそも、本作にはよりクリティカルな問題があった。それは、「考察ドラマとしての致命的な欠陥」だ。
「夫婦別姓刑事」を全話視聴して気づいた“考察ドラマとしての致命的な欠陥”
さまざまな事情で非常に話題となった本作だが、ドラマとしての評判はイマイチだった。視聴率だけで見ると、全体を通して約3%台での着地となった。火曜9時というゴールデンタイムで考えると、決して高い数字ではなく、振るわない結果に終わったと言えるだろう。
その最大の要因は、犯人が容易にわかってしまうことだろう。ドラマ内でのフリが丁寧すぎて、その後の展開を簡単に予想できてしまったのだ。「考察要素が魅力のミステリードラマ」にもかかわらず、こんなに簡単に犯人がわかっていいはずがない……その結果、「犯人がわからずドキドキしながら視聴する」「意外な犯人に驚く」という感情が、まったく湧かなかった。
冒頭で紹介したとおり、本作は“コメディと考察要素が魅力のミステリードラマ”だ。もちろん作中にはシリアスなシーンもある。例えば、あることがきっかけで四方田が刑事を辞職しようとするシーンでは、途中まで非常にシリアスだったのだが、打って変わってコミカルな演技に切り替わる。その軽さが本作の魅力だとは思うのだが、ミステリードラマでコミカルが混じるのは致命的すぎて、一気に冷めてしまった。

