7月14日からは前祭の「宵山」が始まり、15〜16日の夜には、一部の通りや山鉾の周辺に多くの屋台が並ぶ。この2日間は夕方から四条通りが歩行者天国となり、大勢の人が押しかけ、とても賑わう。大学生の頃の私はこれがメインだと勘違いしていた。
実は「還幸祭」こそが祭りの核心
7月17日の神幸祭では、八坂神社にある3基の神輿が四条御旅所へ渡御(とぎょ)し、1週間そこにとどまる。渡御とは、神様が神輿に乗ってお渡りになること。そして24日、後祭の山鉾巡行と同日に神輿が再び市中を渡御して八坂神社へと還る還幸祭が執り行われる。
こうして神様が市中を渡御することで、人々の厄災を祓い、街中を清めるとされている。華やかな山鉾巡行は、実は神様をお迎えするための壮大なアプローチ(前夜祭的な役割)であり、祇園祭の本番は神様が渡御することにある。
地元の人や本気の京都好きの人が、「還幸祭こそ祇園祭の醍醐味」と言うのを聞いたことがあったが、祭りの意味を理解して初めてその言葉の意味がわかった気がした。とはいえ、毎年ニュースなどでその様子を見るにつけ、たくさんの掛け声と、ものすごい熱気に包まれており、あまりに神聖なエネルギーに圧倒される。そのため、私はまだ行ったことがない。
後祭の山鉾巡行と同じ日には花傘巡行もある。花傘巡行では、その名の通り花傘を被った女性や、鷺の頭部と羽をかたどった装束を着た子どもたち、芸妓さんや舞妓さんを乗せた曳き車などが行列をする。ある年の7月、河原町を歩いていて偶然その行列に出くわしたことがあった。観光客として気合を入れて見に行くのもいいけれど、そのばったり感がとてもうれしく、京都は今もこうして生活の中に祭りがしっかり根付いているのだなと感じた。

