一般選抜が厳しくなっていて、東大に合格するほどの学生が明治大学に不合格になっている。一般選抜の競争が激しくなっているため、浪人生も増えている。こういう事情があるため、年内入試……総合型選抜や学校推薦型選抜の人気がさらに高まっている。
「早期に合格をつかんで進学先を決めたいという生徒や保護者のニーズは高まっていると感じています」(木戸氏)
ほかの予備校や塾の関係者も同じように言う。そのニーズに応えて拡大しているのが「年内学力入試」である。学科試験の得点も重視して合否を決める推薦・総合型選抜だ。
この「年内学力入試」は併願可能で、学科試験がしっかりと課され、評定平均値を求めない大学も多いから、一般選抜との併願がしやすい。
「総合型選抜」はすでにレッドオーシャン
一方で、年内入試は一般選抜以上に激戦である。これは多くの高校が頭を抱えていることだが、「推薦・総合型選抜は一般入試より楽に国立大学や早慶上智、MARCHに合格できる」という誤解があるという。
一般選抜より難しいぐらいだというのにだ。アメリカも日本も同じで総合型選抜は高校の成績が重視される。また、日本の大学では学科試験を課すケースも多い。
早稲田や東北大学が「総合型選抜で入学した学生のほうが入学後の成績が良い」とコメントしているが、それは単に総合型選抜で学科試験を課し、学力をしっかりと測り、学力が高い学生を入学させているからだ。一般選抜よりも総合型選抜のほうが、学力が高い学生が入ってくるのだ。
最難関私立大学の推薦・総合型選抜の合格者の高校別ランキングを見ると、東洋英和や聖心女子、横浜共立などの名門女子校がずらりと並ぶが、それらの学校の学力が高い生徒が合格していくからだ。
30代の雙葉や豊島岡の卒業生も「高校で成績が良い子から指定校や総合型選抜で進学先を決めていった。私はそこまで評定平均値が高くなかったから一般選抜を受けた」という。実際、「指定校推薦組が一番学力が高い」という大学も多い。
一般選抜は難易度が上がっているのは確かだが、推薦・総合型選抜はさらにハードルが高い。一般選抜では学科試験で学力を測り、推薦・総合型選抜では評定平均値や英語資格で学力を測っていく。そして、推薦・総合型選抜も学力重視がトレンドだ。
どちらも求めるのは学力である。受験生の有名大学志向が強まっているといわれるが、それならば、評定平均値を上げたり、学力を上げたりするしかないのだ。



