これに対して、スバルは「お客様の期待に素早く応えることが重要だ」と判断。良いものをユーザーにとって納得いく価格で、しかも少しでも早く市場導入するべく、当初計画がなかったレヴォーグ レイバックの商品改良に着手した。
最も大きな課題は、S:HEV化だ。
「もともとのレヴォーグ レイバックにS:HEVパワーユニットを搭載するには、(車体との)固定点などが違うため、車体の前回りをすべてやり直す必要があった」(小林PGM)という。
素人考えでは、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)という共通基盤があるのだから、S:HEV化はすんなりいくと思ってしまうが、現実はそうではないのだ。
その解決策として、スバルは大胆な行動に出た。Aピラーから前の部分を「クロストレック S:HEV」に入れ替えてしまったのだ。1.8Lターボエンジン搭載のレヴォーグ レイバックと比べて、全長が35mm短いのは、そのため。
早く、しかもコストを抑えてS:HEV化を合理的に進めるために、こうした決断を下したのである。
また、周辺の構造物を大きく変えることなく電池を搭載するには、リアシートのすぐ後ろの位置しか選択肢がなかったという。
搭載位置がリアシートのフレームギリギリまできているため、結果的にリアシートがリクライニングできなくなったが、「合理的にS:HEV化を実現するための現実解だ」と、スバルは判断した。なお、実車を確認したところ、リクライニングしなくても後席空間は十分に広いと感じた。
立体駐車場に入る1550mmの全高を実現
次に、1550mmの全高についてだ。
多くの立体駐車場での最大値に対応したわけだが、20mm低くなった分は200mmだった最低地上高を180mmとして対応している。車高が変わったことのほか、S:HEV化によって車重が約100kg重くなったことに伴い、サスペンションのセッティングも変わった。
実際に走らせてみると、クルマ全体がドッシリしたことで、乗り心地もハンドリングも上質感が上がったと感じた。路面の凹凸からの突き上げも、かなり軽減されている。

