同じような抵抗を感じた人も少なくなかっただろう。しかし、結果的に『トイ・ストーリー4』はそれまでのシリーズで最高の興行成績を達成した。「続編」ではあっても、「安易」ではなかったからだ。それでも、「5」となるとどうなのかとの疑問は当然起きる。
予告編でもわかる通り、5作目はおもちゃとテクノロジーの対立の物語。アンディからおもちゃを引き継いだ少女ボニーは、両親から子ども向けタブレット“リリーパッド”を買ってもらうと夢中になり、朝起きてから寝るまで手放さなくなる。見向きもされなくなったおもちゃたちはショックを受けるが、すでに世の中ではおもちゃたちがテクノロジーの登場のせいでどんどん捨てられているのだった。
時代に合ったこの設定は、納得がいく。だが、この映画のすごさは、それをどこに落とし込むかにある。「テクノロジーは悪者」「古き良きものを大切にしよう」というありがちな説教に終わらせてしまったら、誰も共感しない。
上から目線のメッセージを送らない
映画が完成する前、筆者は映画の前半だけを見せてもらった上でインタビューの機会を得たのだが、その質問に対し、プロデューサーのリンジー・コリンズは、「子どもの観客は、親に言われるようなことを映画に言われたくありませんよね。親も、『わが子のスクリーンタイムを制限しなさい。それができないならしつけを間違っている』と言われたくはないでしょう。上から目線の映画にしてはいけないのです。私たちは、それを最初から意識していました」と答えた。
オリジナルからずっとこのシリーズにたずさわっているアンドリュー・スタントン監督も、「なぜ私たちはこの問題に直面しているのでしょう? 誰だってわが子が大事で、正しいことをしようとしているというのに。子育ては本当に難しい。ジレンマがあります」と付け加えている。
ボニーの両親も、わが子を心から愛し、大事にしている。ボニーは友達を作れないことに悩んでおり、リリーパッドはその解決策になるかと思われた。そういった“人間の葛藤”を描いた意味でも、この5作目は画期的だ。

