これは米軍占領時代に、液量をガロンで計算したことに由来しており、¼米液量ガロンが946mLになるため。牛乳一つとってもその土地の歴史が垣間見える例であると言えるでしょう。
なお、この話で重要なのは時系列です。牛乳のパック販売が戦後(1950年代ごろ)に行われるようになり、ちょうど占領下の時期にさまざまな設備が導入されたからこそ、本州と沖縄で違いが生まれたのです。仮に戦前から牛乳パックがあったのなら、この違いは米軍占領だけでは説明できません。
歴史とは少し別の目線で見ると、牛乳の産地などにも注目できます。牛乳といえば涼しい場所で生産されることが多いですよね。北海道での生産が日本全体の半数以上です。また、牛乳は新鮮な状態で販売することが求められるため、大消費地である関東近辺の冷涼地(栃木や群馬など)でも生産されています。
では沖縄はどうでしょうか。沖縄は亜熱帯と呼ばれるような緯度帯にあり、一年を通して気温が高い。だからといって他の地域から牛乳を持ってこようとすると、新鮮さを保つ必要が生じます。海に囲まれた地域特性上、冷蔵の航空便などを使うことになりますが、輸送コストがかさむため、実際には、暑い中でも乳牛を育てる工夫もとられてきました。そのため沖縄のスーパーでは沖縄県産の牛乳を見かけることができるのです。
三重で愛されるうどんに“コシがない”ワケ
他にも、郷土料理なども面白い。例えば、三重県の伊勢うどん。現地スーパーでは、袋麺タイプの伊勢うどんがたくさん販売されているのです。普通のうどんが売っていない店すらありました。
コシのなさで知られる伊勢うどんですが、元々伊勢神宮の参拝者へ素早く提供するため、茹でっぱなしにしていたことがルーツだそう。伊勢という土地の歴史と繋がった商品が、スーパーで見られるのです。
もちろん、観光地ではなく、みなさんが普段行く地元のスーパーでも、発見はあります。
関東の人であれば、スーパーで「かんぴょう巻き」を見かける機会が多いのでは。かんぴょう巻きは東京の郷土料理ですが、ではなぜ東京名物になったのでしょうか。
これは海苔の生産が東京湾で行われていたことが、理由の1つといわれています。浅草で有名だった浅草紙の製法を真似して海苔が作られたのです。それぞれの商品の歴史のスタートまで遡って考えてみると、少し普段の風景が変わってくる。
家族でスーパーに足を運び、なんとなく手に取った商品の産地やルーツを確認するだけで、あっという間にスーパーが学び舎に早変わりします。
伊達や酔狂で申し上げているわけではありません。このような考え方は、実際のテスト・受験勉強においても非常に効果を発揮するのです。

