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ライフ #法医学者がみた「働き盛りの死」の正体

なぜ45歳男性は「ゴルフ場で突然死」したのか?黄色く変色した牛のような心臓…解剖医が語る"早起きゴルフ"に潜む危険

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ゴルフする男女
(写真:golfterc / PIXTA)
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心臓の冠状動脈*も確認します。5mm間隔で輪切りにして詰まりの有無をチェックすると、脂肪やコレステロールの塊である「アテローム」が血管内にべっとりと付着した箇所が認められました。動脈硬化の典型的な所見です。

アテロームは蓄積すると血管を狭くしたり剥がれて出血して血栓をつくったりして血管を詰まらせ、心筋梗塞など重篤な病気を引き起こします。

*冠状動脈(冠動脈)……心臓の表面にあり、心筋に酸素や栄養を送る血管。動脈硬化などで詰まると心筋梗塞を起こす

膀胱の尿の量も調べます。量がごくわずかだったことから、心臓が短時間で止まり、身体が尿をつくることを停止したことがうかがえました。

脳血管疾患の場合は心臓が完全に停止するまで時間がかかるため、その間も身体が尿をつくり続けており、膀胱内の尿の量が心血管疾患より多い傾向がある

あらゆる所見を考慮し、最終的な死因は「心筋梗塞」となりました。

なぜゴルフ中に心筋梗塞を起こした?

では、なぜ坂本さんはゴルフ中に心筋梗塞を起こしたのでしょうか。

警察の追加情報によると、坂本さんに運動習慣はなかったようです。ゴルフ練習場にはほとんど行かず、誘われてたまにプレーする程度だったことがわかりました。

また、平日は職場で夜遅くまで仕事をして、休日は家で過ごすことが多かったこと、生前の健康診断ではメタボリックシンドロームや高血圧を指摘されていたこともわかりました。

さらに、亡くなった当日の昼食時にはビールを飲んでいたという同伴者からの証言もありました。

生活習慣病がもともとあり、肥満体型で、運動習慣もない。にもかかわらず、疲れた状態で早起きして遠くのゴルフ場に長距離移動し、負荷の大きい運動をして、日中から酒を飲む──。身体が悲鳴を上げたのでしょう。

ゴルフは優雅なスポーツのように思われています。しかし実際は、想像以上に全身を使うスポーツです。

そもそもゴルフの日は普段より早起きして長距離移動することが多いため、自律神経のバランスが崩れやすくなっています。

プレー中は日陰がほとんどなく、芝からの照り返しが強いアップダウンの多いコースを10km近く歩いたり、ときには走ったりと、長時間にわたり運動するので心肺機能にかなりの負荷がかかります。

日頃練習していない、あまり上手でない人ほどボールがあちこちに飛んで歩数が増え、負荷はさらに大きくなります。

ショットの際の瞬間的な力みも、骨や筋肉に相当な負荷を与えます。そのため、プロもよくケガをするのです。私の知り合いは何も持たず素振りのマネをしただけで肋骨を折りました。

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