同校の通信制では25年度から、自由選択制で探究、DX、グローバル人材育成の各コースを開設。大学入試につながる高度な探究活動の支援や、外部講師によるプログラミング講座などを実施している。意欲ある生徒の才能を伸ばす新宿山吹らしい取り組みだ。今後も、特別な才能を持つ生徒の一定数が、進学校ではなく同校を選ぶ傾向は続くだろう。
進学塾では新宿山吹のような学校の存在が十分に紹介されないことも多い。進路指導は保守的で、伝統的な進学ルートを勧めがちだからだ。塾任せにせず、自ら情報収集する姿勢も大切である。
「イノベーター育成」「国際バカロレア」掲げる高校も
今後、新たな旋風となりそうな学校も控えている。
まず注目されるのが、29年に港区白金で開校予定の新しい進学校だ。イノベーター人材の育成を掲げ、国内外の難関大学への進学を目指す。最大の特徴は、通学期と非通学期を交互に設けるクオーター型カリキュラムである。非通学期には地方や海外にいながらでも高校の単位を取得でき、通信制と全日制の長所を融合した新しい学びの形を打ち出す。進学校志望の受験生の学校選択にも大きな影響を与えそうだ。
もう1つの注目が、第一商業高校(渋谷区)の改編である。28年度から全日制普通科へ生まれ変わり、海外大学進学を目指す「国際バカロレア(IB)コース」と、国際金融を学ぶ「グローバル・ファイナンスコース」を設置する。
IBは世界共通の教育プログラムで、海外大学への進学資格を得られる。先駆校である国際高校(目黒区)は高い実績を上げており、そのノウハウが投入される新コースへの期待は大きい。
東京都は5月、都立高校生を対象とした海外大学進学向け給付型奨学金制度の創設を発表した。海外の名門大学に進学する生徒に最大800万円を支給するもので、国際高校や改編後の第一商業高校の生徒には大きな追い風となるだろう。
第一商業高校は、一昨年に初めて校長室を訪れたが、「もったいない学校だ」という印象を持った。渋谷駅徒歩圏という立地に加え、これまでの教育や進路支援も國學院大との連携や豊富な指定校推薦枠、同窓会支援によるイギリス研修など申し分ない。今回の改編をきっかけに、その魅力が広く知られることになるかもしれない。
近年の都立高校のトレンドは、外国語コースや国際学科に限らず、希望者を対象とした独自の海外研修を実施する動きが広がっている点だ。
上野高校(台東区)は26年度からニュージーランド交流体験旅行を導入する。竹早高校(文京区)は24年度からイギリスのプリマス・カレッジと連携し、ネイティブ講師との事前レッスンを重ねたうえで現地研修に臨む。中堅校でも、墨田川高校(墨田区)が24年にシンガポール研修を導入し、成瀬高校(町田市)もオーストラリア研修を実施するなど広がりを見せる。

