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都立高校にすればよかった…"無償化"特需で生徒急増した「私立」想定外の惨状、次々と改革打ち出す「都立」に回帰の兆し?

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私立人気が高まる中、実は「都立回帰」の兆しが見られるという(写真:ふじよ/PIXTA)
  • 東田 高志 高校受験塾講師・教育系インフルエンサー
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このほか、都立高校を知り尽くした私がイチオシの2校も紹介したい。

八王子桑志高校(八王子市)は、日本初の産業科高校として、システム情報やビジネス情報などの専門分野で資格取得と理系大学進学を両立させる。理系大学への指定校推薦枠も多く、中堅層の理系志向と相性がよい。25年からは希望者対象のシンガポール研修も始まっている。

杉並工科高校(杉並区)は、24年度から「IT・環境科」を設置し、理工系大学進学を前提とした進学型工科高校へと改編された。今春は目黒高校(目黒区)、狛江高校(狛江市)、南平高校(日野市)などとともに東京都の「進学指導等の充実事業推進校」に指定されるなど、東京都が進学校に育てるために並々ならぬ力と資金と投入している学校だ。

1学年140人規模で、通常規模校の半分という少人数体制を生かし、都立高校で唯一の「総合型選抜受験クラス」を設置し、一人ひとりの希望進路に合わせて受験をコーディネートする。法政大学理工学部との高大連携も進むなど、手厚さとプログラムの充実が光る。

夏には希望者対象のマレーシア研修も実施され、現地の工科大学での授業参加や学生寮での交流も行う。

模試会社の分析によれば、定員が割れたにもかかわらず、入学者の学力レベルが上昇しているという。約180校ある都立高校の中でも、「最も穴場の高校はどこか」と聞かれれば、まず名前が挙がるのが杉並工科だ。理系寄りの中堅層で、少人数できめ細かな指導を望む生徒には、ぜひ一度見ておきたい学校である。

私立に進んだと思えば「海外研修」は実質タダ?

ところで、これらの都立高校の独自の海外研修費用は決して安くはない。例えば北園高校(板橋区)の14日間のオーストラリア語学研修は約60万円だ。

もっとも、この費用は「私立に行っていればかかった分で相殺できる」との見方もできる。つまり、都立高校では海外研修が“実質的に付いてくる”という発想だ。こうした視点で見ると、都立高校の経済面での優位性は今なお高い。

そのほかにも、約80万円で約1年間留学できる都立高校生限定の長期留学支援制度「次世代リーダー育成道場」や、都立高校生限定の短期留学プログラム「Global Challenge」など、海外経験の機会は広がっている。

重要なのは、こうしたプログラムへの挑戦を「高校入学前から」見据えて動くことだ。

海外研修が目的なら中学生のうちに英検上位級の取得や英会話力を伸ばし、理数系なら高校数学の先取りや理数科目の重点学習に励む。そうした高校進学後のカリキュラムを見据えた主体的なアプローチが、合格後の伸び代を大きく左右する。

全員が同じ受験勉強に終始する時代は終わった。都立高校の個性化が進んだ今、その価値を100%引き出すには、逆算して中学時代の学びをデザインする視点が欠かせない。

激変する東京の高校受験前線において、私はそうした未来を見据えながら、日々目の前の生徒たちの指導にあたっている。

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