本人は、“型破りな俺”をプレゼンしているつもりなのだろうが、えみは、「結婚して夫婦げんかになったら、この人は私に皿を投げつけたり、暴力を振るってくるかもしれない」という思いが頭をかすめた。聞いていて、だんだんと怖くなっていった。
決定的だったのは、こんな一言だった。
「真面目な奴って、面白くないじゃないですか。俺、ルールはぶっ壊していくタイプなんですよ」
その瞬間、えみは心の中で「この人には、お断りを出そう」と決めた。若い頃のヤンチャな行動を40歳過ぎの男が誇らしげに話した瞬間、それは“武勇伝”ではなく、“未成熟さの自己申告”になってしまう。
必要なのは武勇伝ではない
婚活の場では、ジーンズでのTPO違反や遅刻自慢は「自由」ではなく、「配慮不足」。周囲からほめられる話のオンパレードは「承認欲求の塊」に映る。
そして不良自慢や破天荒エピソードは「頼もしさ」ではなく「幼さ」や「粗野さ」のサインとして受け取られてしまう。
婚活で大事なのは、過去に破天荒なことをしてきた自分語りでも、承認欲求をさらすことでもない。お見合いした相手が見ているのは、将来をともに歩いていくパートナーとして、日々の生活を協力しあいながら穏やかに過ごせるかどうかなのだ。
