新聞社時代のコネを使えば、仕事も獲得できたかもしれない。だがそこにはプライドがあり、毎日新聞の関係者には絶対に頼らないと決めていた。
退路を断って、自分自身を再起動したいという強い思いがあったのだ。
「月50万円の報酬」だと騙され…
そんな花畑さんに、手を差し伸べた女性経営者がいた。懇親会で知り合ったその女性は、花畑さんが会社を辞めて起業することを知ると、顧問として月50万円で事業を手伝ってほしい、と打診してきたのだ。
収入ゼロの中、願ってもないことである。もちろん引き受け、その女性から指示された業務をこなしていった。
だが、報酬が支払われる約束の日に、入金はなかった。事務処理の遅れだろうと言い聞かせ、数日待っても同じまま。花畑さんは角を立てないよう、遠回しな文面でメールを送った。
「請求書を出していなかったのですが、この場合どうすればよろしいでしょうか」
返事はすぐに来て、請求書を送るよう言われた。だがその通りにしても、変わらず入金はない。再び問い合わせると、「この業務内容では、報酬はお支払いできません」と返ってきた。
見た瞬間、頭が真っ白になったという。実は、この女性は未払いの常習者で、何人も被害者がいることがわかった。
裁判を起こすべきか弁護士に相談したところ、勝ったとしても支払われるのは少額で、時間や労力に見合わないのでやめたほうがいい、と助言された。詐欺被害に遭った当時の心境を、花畑さんは振り返る。
