筆者は先日、6年ぶりに香港を訪問し、香港の国際金融都市としての「復活」を実感した。中国が2020年6月に香港国家安全維持法(国安法)を施行し、香港政府は、デモなどの反体制的な行動の取り締まりを強化した。一部日本メディアは「香港は死んだ」と報じ、一国二制度の形骸化が懸念された。その香港が国際金融都市として復活したといえば意外に感じるかもしれない。
香港はニューヨークを超えたIPO拠点に
しかし、経済面では一国二制度が機能し、香港市場は活況を呈している。香港株式市場の25年の新規株式公開(IPO)額は前年の3倍超。米ニューヨークを上回り、世界最大のIPO拠点となった。現時点でも、300を超える企業が上場の順番待ちをしており、少なくとも3年間は高水準のIPOが続く見込みだ。資産管理ビジネスの復活も顕著だ。25年末の香港に登録するファンドの資産運用残高は、前年比4割増、年間資金純流入額は前年の2.2倍と急増した。
頭打ちだった香港の外資企業拠点数は、24年以降増加に転じ、25年には1万社を超えた。中国本土企業の拠点増加が最大の要因だが、一時期減少傾向にあった米企業拠点数も増加に転じ、25年は過去最高社数を記録した。「国際金融都市としての香港は絶好調といってよい」との現地金融関係者の発言もうなずける。
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