週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス

AIで写真初心者にも広げたい新「Xperia 1 VIII」、30万円スマホでソニーは勝負できるか?

7分で読める
フラッグシップスマートフォン「Xperia 1 VIII」
Xperia 1 VIIIは原石をモチーフにした「OREテクスチャ」を全面採用した(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

Xperia 1 VIIIが背負うもう一つの課題が、前モデルからの信頼回復だ。2025年7月、ソニーは前モデルのXperia 1 VIIで再起動の繰り返しなどの不具合を公表し、販売を一時停止した。販売再開は8月27日まで2か月近く遅れた。

販売停止の最中だった8月7日の決算説明会で、ソニーグループ最高財務責任者(CFO)の陶琳(タオ・リン)氏は「Xperiaは非常に大切なビジネス、大事に育てていく」と表明した。通信技術がソニー全体の技術基盤であり、スマートフォン以外の領域でも活用されていると説明し、撤退の選択肢を否定した。

不具合事件で離れかけたコアファンを呼び戻すという課題は、Xperia 1 VIIIにそのまま引き継がれる形となった。新機種が買い替えを促す説得力を持てるかどうかが、ソニーのスマートフォン事業の今後を左右する。

発表会会場ではXperia 1 VIIIの内部構造も展示されていた(写真:筆者撮影)

Xperia 1 VIIIは誰のためのスマホか

AIカメラアシスタントを搭載しても、30万円のスマホが初心者向けに変わるわけではない。20万円台後半から30万円前後という価格帯は、これまでXperiaを選び続けてきたコアファンが買う領域だ。AIアシスタントが本当に果たすのは、そのコアファンが新しい人を呼び込む後押しだ。

グラファイトブラック、アイオライトシルバー、ガーネットレッド、ネイティブゴールドの4色を展開する(写真:筆者撮影)

ソニーが大事に育てているのは、写真と音にこだわる人が残り続ける場所としてのXperiaだ。望遠カメラの暗所性能、ウォークマン譲りのイヤホンジャック、上下同一のスピーカー。他社が省略する装備を残しながら、新しい人を少しずつ呼び込む工夫としてAIを加えた。Xperia 1 VIIIは、コアファン向け高単価路線にAIで勧めやすさを加えた機種と見るのが、実態に近いだろう。  

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象