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「学歴ロンダリング」という侮蔑がもたらす日本社会の生産性低下、AI時代にこそ求められる「虚往実帰」の精神

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空海
歴史を振り返れば、見えない学びを鮮やかな成果へ転じた先人がいる(写真:Andy/PIXTA)
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近年、国内の大企業でも外部の高度人材を役員へ招聘する動きが加速化している。国内の上位大学を卒業後、海外の大学でMBAを取得し、外資系企業で実績を積んだ人材が目立つ。学歴と職歴を掛け合わせた新たな選別基準が、従来の年功序列に代わり、採用の現場で実効性を持つようになった。

学歴という看板は、時代ごとに求められる資格や学位の形を変えながら、根強く影響力を持ち続ける。ときには、その看板が「アイデンティティー(本当の自分は何者かという自己認識)」を覆い隠してしまう。

1976年にノーベル文学賞を受賞した作家、ソール・ベローは、この矛盾を鋭く突いた。ユダヤ系アメリカ人であるベローは、知的なエリートとしての輝かしい肩書と、欲望や嫉妬に振り回される泥沼の私生活との間に生じる乖離を描き続けた。

代表作『ハーツォグ』の主人公は、高名な学者として社会的な尊敬を集める一方で、私生活では妻を友人に寝取られたショックや、他者への激しい執着心から抜け出せず、精神的な崩壊の淵に立たされている。

世間が仰ぎ見る「成功した知識人」という虚像と、みっともない感情を抱えた個人の実像。外面的な称号と内面の混迷が織りなす対比は、人間を学位や職歴といった形式的な要件のみで判断する危うさを浮き彫りにした。

“SPAの寵児”がたどった毀誉褒貶

人の評価は、ある時点の経歴で固定されるものではない。世間の認識が個人の変化を捉えるまでには時間がかかり、深刻な認識のずれを生む。

具体的な事例として、アパレルSPA(製造小売業)・ストライプインターナショナル創業者(岡山市)の石川康晴氏が挙げられる。専門学校卒業後に起業し、37歳で岡山大学の夜間コースへ、さらに京都大学でMBAを取得した。

一方で、セクハラ報道を機に社内問題が浮上し、2020年3月に代表取締役社長を辞任。会社側はセクハラの事実そのものは認定されなかったとしつつ、「誤解を招くような行為」があったとして厳重注意を行ったと説明している。

表舞台から離れた後、25年7月に新会社スタジオオンラインを設立し、会長CEOとして再起を図る道を選んだ。

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【学歴は過去の一断面にすぎない】

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