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"大人の学び直し"はなぜ冷笑されるのか? 「学歴ロンダリング」とさげすむ日本社会の"ドス黒い心理"の正体

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名刺交換
名刺に新しい肩書を刷ったとき、全員が前向きに受け取ってくれるわけではない(写真:Jake Images/PIXTA)
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他人の学歴が変わったと聞くと、「何を狙っているのか」と考える人は少なくない。祝う前に、意図や背景を推測してしまう。これは性格の問題というより、相手の状況をよく考える前に判断を下してしまう「対応バイアス」と呼ばれる人間の癖だ。

起業家・社外取締役・ジャーナリストと複数の肩書を持つある女性が、有名大学院への合格をSNSで発信したケースがある。コメント欄には「頑張ってください」「すごいですね」「素晴らしい」といった言葉が並んだ。中には、教科書の内容に触れたり、社会人院生としての経験を共有したりと、学びそのものに寄り添う反応もあった。

ただ、そうしたコメントは少数派で、「きれいです」「めっちゃ素敵」といった容姿や雰囲気への反応のほうが目立っていた。知的で華のある雰囲気を持つ発信者への賞賛が、合格という事実への受け止めを覆い隠す格好になっていた。

祝賀の投稿はそれだけにとどまらず、高級料理店での壮行会や合格祝いの報告が連日続いた。コメント欄にはこんな言葉も現れた。「もう、嬉しくて仕方がない、って感じですね」。文末に笑顔の顔文字を添えられていた。祝福なのか皮肉なのか、受け取る側によって理解は異なる。

また「いつも美味しい食べ物に囲まれて幸せですね」という言葉も混じっていた。学び直しという事実より、華やかな日常を発信することが前面に出るにつれ、見る人の受け取り方は少しずつ変わる。

SNSでは、「何を伝えるか」と同時に、「どう見せるか」が見る人の印象を左右する。いわゆるキラキラ社長的な発信スタイルは、注目を集める一方で、真剣さの証明を難しくするという皮肉な副作用を持つ。

「学歴ロンダリング」という言葉が投じられると、本人はこれを否定するコメントを返した。その気持ちは理解できるが、強く反論すれば、かえって臆測を呼び、何か後ろめたいことがあるのではと思われかねない。

SNSに見る「学歴論争」

典型的なのが、SNSプロフィール欄の変化だ。いつの間にか学部時代の大学名が消え、大学院名だけになっているケースがある。

本人にとっては気持ちの整理にすぎないかもしれない。ところが、元の学歴を削除する行為は、批判したい側に格好の口実を与えかねない。学部と大学院の間の偏差値差が大きいほど、「何かを隠しているのではないか」と勘ぐられやすくなる。

しかし、立ち止まって考えてみれば、これはずいぶん窮屈な話だ。どの大学院で何を学ぶかが問われるべきところに、どの学部を出たかという過去の序列が影を落とし続ける。

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【学部の偏差値が低い場合に限った話ではない】

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