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日本人はもっと思想を持て マスクもティールも思想が強い 『21世紀を動かす思想』樋口恭介氏に聞く

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『21世紀を動かす思想 加速主義・プルラリティ・SFプロトタイピング』の著者
『21世紀を動かす思想 加速主義・プルラリティ・SFプロトタイピング』の著者、SF作家、コンサルタントの樋口恭介氏

INDEX

AIをはじめとするテクノロジーの加速がもたらす歴史的転換のただ中で、私たちはどのような未来を選び取るべきなのか。著者は現代の思想的潮流を見据えつつ、単一の未来ではなく複数の可能性としての未来を構想するための枠組みや実践的なヒントを提示する。

加速主義とプルラリティ

──本書前半では、21世紀を動かす思想として、加速主義とプルラリティという2つの思想潮流を扱っています。それぞれどのような思想かを解説願えますか。

『21世紀を動かす思想 加速主義・プルラリティ・SFプロトタイピング』(樋口恭介 著/集英社新書/1100円/256ページ)

加速主義は、簡単に言うと「テクノロジーは非常に強力なものだ。ストッパーをすべて外して強力なテクノロジーに身を任せ、社会をどんどん良くしていこう」という思想だ。既存の資本主義や技術革新が持っている運動性を意図的に加速させることで現在のシステムを内部から突き崩し、まったく新しい社会システムの到来を目指そうとする、非常にラディカルな考え方のことをいう。

プルラリティ(Plurality)は、台湾の政治家オードリー・タン氏とアメリカの経済学者E・グレン・ワイル氏を中心とするコミュニティーが提唱している、21世紀型の公共圏を構築するための設計思想だ。訳語として対応するのは「多元性」「複数性」「多様性」などだが、思想としてのプルラリティの特徴は、社会に存在する多様な価値観や差異を単に受容するだけでなく、それを創造的なエネルギーの源泉として捉える点にある。

デジタル技術やAIを監視のためではなく「対話の拡声器」として使い、多様な人々が衝突するのではなく、互いに学び合って合意や解決策を生み出す。そのための「共通の土壌」をつくっていこうという実践的な試みだ。

──さまざまな思想がある中でこの2つを取り上げたのは、どのような意図からでしょうか。

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