週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #Inside USA

ホワイトハウス改築に「巨大凱旋門」構想――トランプ氏のブルータリズム批判が問いかけるアメリカの政府像

3分で読める 有料会員限定
トランプ氏は連邦政府関連の建築の古典主義回帰を掲げている(写真:Doug Mills/The New York Times)
  • 安井 明彦 みずほ総合研究所調査部シニアプリンシパル

建築をめぐるトランプ大統領の構想が物議を醸している。ホワイトハウスの一部を巨大な宴会場に改築したり、世界最大級の凱旋門を建設したりする計画が取り沙汰され、ワシントンDCに後世に残る痕跡を刻もうとしている。不動産で身を立てたトランプ氏らしい発想とみる向きもあるが、理想の政府像に迷うアメリカの姿を映し出しているともいえそうだ。

アメリカの心臓部で何が起きているのか。専門家が「ワシントンの深層」を分析。【隔週日曜日更新】

トランプ氏は、連邦政府が関わる建築を、ローマやアテネに由来する古典主義に回帰させるべきだとしている。民主主義を育んだ歴史につながる古典主義の建築こそが、アメリカの首都にふさわしいというわけだ。

対極に置かれているのが、第2次世界大戦後のモダニズム建築だ。中でもトランプ氏は、1960年代以降のブルータリズム建築を批判している。第1次政権の2020年に古典主義建築を優先する方針を示した大統領令では、68年完成の住宅都市開発省庁舎などが批判の対象に挙げられた。

背景にあるのが、「大きな政府」への不信だ。ブルータリズムの連邦庁舎建築は、福祉国家化による政府機能の拡張と時期を同じくして進められてきた。重量感のあるコンクリートの外観や、機能性が重視された建築は、政府の力を体現する存在でもあった。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象