1945(昭和20)年の東京大空襲では、妙正寺川以北の中井、中落合、西落合、下落合は焼け残ったが、妙正寺川以南の上落合は焼失。戦災の被害を受けた上落合では住宅地が形成されたが、道路などの基盤整備が進まず、木造住宅密集市街地となった。
その後、電車の開通とともにさらに発展していく。1966(昭和41)年に落合駅が開業、1997(平成9)年に大江戸線が開業した。大江戸線の開通前には、1991(平成3)年に都庁が現在の位置に移転することを受け、都庁関係の事業者向けの小規模な事務所ビルが建設された。
2016(平成28)年には西武新宿線中井駅に南北自由通路が設置され、利便性が向上。2017(平成29)年には新宿区の整備した中井駅前広場が完成した。しかし、タワマンや高層ビル、大型商業施設は建てられることなく今に至る。
台地と低地で異なる歴史を刻んできた
再開発されない街、中井・落合は起伏に富む複雑な地形で、台地と低地でそれぞれの歴史を刻んできた。街を歩いてよく観察すると、現在でもその違いがしかと表れている。普段、何気なく歩いている街の成り立ちには、地形が深く関係していることを感じさせられる。
続く後編では、中井・落合がなぜ再開発されないのか、街づくりの経緯を考察していく。
