これは肌に限った話ではありません。筋肉、内臓、脳など、体のあらゆる組織が同じ影響を受けます。血液が十分に巡らない体は、いわば「エネルギー不足」の状態なのです。
さらに重要なのが、血流の低下は見た目だけでなく、生活習慣病とも直結している点です。
血行不良が続くと、エネルギーがうまく使われず、余分な脂肪がたまりやすくなります。その結果、肥満や高血圧、高血糖といった状態を招き、心臓や血管に大きな負担をかけることになります。つまり、血流の乱れは、老化と病気の出発点でもあるのです。
若さを保つために、特別な若返り法を探す必要はありません。まず意識すべきは、血液がきちんと流れているかどうか。心臓と血管がスムーズに働き、全身に血液を送り届けられているか。この視点を持つことが、「老けない体」をつくる第一歩になります。
若さは、外見ではなく、血流という見えない流れの中にこそ宿っているのです。
「1日10万回」の拍動で全身に血液を送り続ける心臓
私たちは普段、自分の心臓が動いていることを意識せずに生活しています。しかし、心臓は食事をしている間も、眠っている間も、一瞬たりとも休むことなく拍動を続けています。
心臓という臓器がいかに健気でタフな存在であるか、その基本を知ることから始めましょう。
心臓の大きさは自分の「握りこぶし」程度で、重さはわずか200〜300gほどしかありません。胸の中心より少し左側に位置し、強靭な筋肉である「心筋」でできています。この心筋が、膨らんだり縮んだりを繰り返すことで、強力な「ポンプ」として血液を全身に送り出しているのです。
その働きぶりは、驚異的というほかありません。心臓が打つ拍動の回数は、1分間に約60〜80回。これを1日に換算すると約10万回におよびます。さらに、一生涯という長いスパンで考えれば、その回数は実に約20億回にも達します。
心臓の中は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)に分かれています。
「心房」は戻ってきた血液を受け取る玄関のような場所であり、「心室」は血液を力強く送り出す出口のような役割を担っています。血液はここから肺へ送られて新鮮な酸素を取り込み、再び心臓へ戻ってから全身の各器官や細胞へと届けられます。
この循環によって、私たちの体は栄養と酸素を受け取り、不要な二酸化炭素を回収することができているのです。また、心臓には4つの「弁」があり、これらが押し扉のように開閉することで血液が逆流するのを防ぎ、常に一方通行の正しい流れを保っています。
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【心臓自身も栄養と酸素を必要としている】
