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20年後には「女性4割・男性5割が一生子なし」の社会に…日本の少子化が止まらない"本当の理由"

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日本の少子化が止まらない(写真:kouta/PIXTA)
  • 荒川 和久 独身研究家、コラムニスト
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つまり、2045年には女性のほぼ4割が無子になる可能性があるということです。そして、男性の場合は、女性の値プラス10%ptの5割が生涯無子になります。これは男性の絶対人口の多さ(男余り)および未婚男性が一度も結婚しないことを尻目に、離婚男性が初婚女性との再婚を繰り返す「時間差一夫多妻現象」が影響して、男性の生涯未婚率が女性より10%ptほど高くなるからです(既婚無子は男女一緒)。男性の5割、女性の4割が生涯無子となる時代へ。これは決して誇張ではなく、現実的に予想できる未来です。

無子率のうちの10%相当は、結婚しても子を産まない、もしくは産みたかったができなかったものですが、残りの大部分は未婚によるものです。結婚したくない、子どもは欲しくないという層は一定数存在しますし、その意思は否定されるものではありませんが、その割合はせいぜい2割程度です。

にもかかわらず、4〜5割が無子になるということは、「結婚したかったのにできなかった」という不本意未婚と、「子どもが欲しかったのに恵まれなかった」という不本意無子が増加するということです。そして、不本意無子になる要因としては、晩婚化の影響も無視できません。その意味でも日本においては、25〜34歳のボリューム年齢帯での結婚と出産がどれだけ実現できるかにかかっていることになります。

「夫婦が産む子の数」はむしろ増えている

一時期展開されていた「第二子、第三子を促進すれば少子化は改善できる」などという論は、最近すっかり聞かなくなりました。なぜなら、そんな因果はないからです。無子率を下げない限り、TFRは改善しません。前提として、そもそも母親が産む子どもの数は長期にわたって減っていません。

「1人の母親が産む子どもの数」としてよく引き合いに出される「完結出生児数」という指標があります。2021年時点で1.90人となっています。それでも近年は減って2.0を切ったという指摘もあります。

しかし、この完結出生児数とは、婚姻継続期間15年以上の夫婦だけを対象としたもので(年齢的には40歳以上)、かつ、無子夫婦も含みます。よって、厳密には1人以上出産した母親が何人産んでいるかを示すものではありません。別途、有配偶出生率も無子を含みます。

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【真の少子化対策になっているか】

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