それでも「日本の無子率が3割に満たないのならば、7割以上は産んでいるのだな」と思うかもしれません。しかし、これは前述した通り、50歳の女性のデータで(1975年生まれ相当)、当該年齢の女性が出産していた時期は約20年前の話であり、決して今現在進行している無子率を表すものではありません。
そこで、TFR同様、15〜49歳の全年齢における計算上の無子率を出してみましょう。考え方としては、第一子を出産した女性以外はその時点で無子であると推計されるので、第一子出生率の補数(1−第一子出生率)を仮の無子率と見なすことが可能です。もちろん、これはあくまで計算上の無子率ですが、経年でこの推移をたどると、少子化の流れが如実に明確になります。
日本における、1990年から2024年にかけての無子率(仮)の推移は以下の通りです。比較のために、韓国とスウェーデンも並べます。

日本においては、1990年の33.5%から徐々に上がりはじめ、2005年の37.9%でいったんピークを迎えます。2005年とはTFRが1.26となった年で、その時までの過去最低を記録した年です。その後、2015年にかけて無子率は改善されましたが、これはTFRも上向いた時期と合致します。そして、2015年から急上昇し、2024年には45.6%に達します。
日本より出生率が低い韓国は、やはり無子率も高く、2023年時点で56.6%です。韓国もまた2015年から急上昇しています。ちなみに、韓国のTFRが1.0を切ったのは2018年です。スウェーデンは、日本や韓国よりは無子率が低いまま進んでいましたが、これも2010年を底に35.8%に上昇してしまいました。3国の無子率とTFRとを比べれば、無子率が高いほどTFRは低くなっています。
このように、無子率が上がるとは、第一子が生まれないことであり、第一子が生まれなければ全体の出生率は低下するということがおわかりいただけると思います。
2045年には女性の4割、男性の5割が生涯無子になる
もちろん、日本の2024年の計算上の無子率が5割近くあるからといって、そのまま5割が無子になるという意味ではありません。あくまでこの時点で無子の割合が最大でここまであるという意味です。先ほどの20年前に30歳だった女性の生涯無子率が28.3%であったことを鑑みると、最終的にそこから10%ptほど下がりますので、このままいけば20年後の生涯無子率は37%程度になると推計されます。
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【2045年には女性のほぼ4割が無子になる可能性】
