まだまともだった養父と出会った当初、筆者も兄も再婚には大反対していた。そのため、再婚までに実に12年の年月を費やすこととなる。なぜ子どもながらに親の再婚に大反対したのか? そこには「名字を変えたくない」という兄の強い希望があった。
筆者は名字にさほどこだわりはなかったものの、兄の希望は叶えてあげたかった。それに、当時は実父の姓のままだったので、名字が変わると父とのつながりがより希薄になりそうなのも嫌だったのだ。ありとあらゆる面で子どもを振り回す以上、子連れでの再婚は慎重になってほしいと願うばかりだ。
12年反対していた親の再婚に賛成した理由
実際に母と養父が再婚したのは筆者が大学3年生・20歳のときだった。既にひとり立ちしていた兄は分籍済みだったこともあり、筆者の賛成で母は再婚することに。まだ扶養される立場だったため、強制的に名字が変更になってしまい、筆者なりに非常に面倒な手続きをする羽目になった。
面倒な目に遭うとわかっていたにもかかわらず、なぜ再婚に賛成したのか。それは、気の良さそうなおじさんが本当に良い人だったからに他ならない。
2人の子どもがいるにもかかわらず、複数人の男性と関係を持ち、家に連れ込んでいたことからもわかる通り、筆者の母親は非常識な人間だ。再婚に至った彼氏は、その対極といえるほど真っ当な人間だった。あんな人間と結婚するような人間なのだから、まともではない気もするが、少なくとも当時の筆者にとって身近にいる最も真っ当な人間だったのだ。
当時はまだ母親の彼氏という立場だったにもかかわらず、養父は高校の体育祭も文化祭も来てくれた(ちなみに、母親は来なかった)。帰宅のタイミングが合えば、車での送り迎えもしてくれた。帰りにはスーパーに寄り、夜ご飯やお菓子も買ってくれた。さらには、犬の病院の送り迎えまでしてくれたのだ。
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【子連れ再婚に伴うもう一つの課題「相続関係」】
