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家に「知らないおじさん」がいるストレスは甚大だ…京都・南丹男児殺害事件から「シングルマザーの恋愛」を真面目に考える

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うずくまる子ども
「母親の彼氏」が家を出入りする環境で育った筆者が思う「再婚前に考えてほしいこと」(写真:ノンタン/PIXTA)
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8歳のある日、母の複数の「彼氏」の中から、1人の男性を紹介された。気が良さそうなその人は、後に筆者の養父となる。まさに被害者の少年と同じような状況で暮らしていたのだが、筆者と被害者には2つ大きな違いがあった。

1つ目は、同じ父母から生まれた兄がいたことだ。血のつながりによって、扱いに格差が生まれることがなかった。むしろ、兄妹共に養父と血がつながっていないからこそ、ある程度平等に扱ってもらえたといえる。さらに、決して仲が良い兄妹ではなかったが、生き延びるために支え合っていたからこそ、何かあっても1人ではなかった環境が大きい。

2つ目は、養父が真っ当な人間だったことだ。筆者の家庭で最も非常識なのは母親だった。

母は感情に振り回され、不機嫌で人をコントロールするタイプの人間である。「出て行け」「産まなければよかった」と言われた回数は数え切れないほど。ネグレクトの上に感情的な言動が乗っかる母親との関係は、つらく苦しいことのほうが多かった。だが、養父はその間に入ったり兄と筆者のケアをしてくれたりしたのだ。

シングルマザーに恋愛する権利はないのか

さて、被害者と同じような状況の子どもだった筆者からいえば、母親の再婚や恋愛より迷惑なものはない。とはいえ、シングルマザーも1人の人間なのだ。子どもがいるからといって、その恋愛のすべてを否定することはできない。

シングルマザーの中には、「1人で子どもを育てるのは大変だし、支え合える人がいてほしい」と感じる人もいるだろう。そうした“個”としての感情は、たとえ子どもであっても否定することなどできない。

……のだが、巻き込まれる側からすれば、たまったものではないのもまた事実なのだ。

知らないおじさんが家にいるのは非常に迷惑だし、「自分には本物の父親がいる」という気持ちが常にあった。連れ子の立場から言わせてもらえば、「そう簡単に父ではない外から来たおじさんを受け入れられない」以外なかった。母が奔放であればあるほど「父親に引き取られたかったな……」という気持ちが強くなったのは想像にかたくないだろう。

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【再婚はありとあらゆる面で子どもを振り回す】

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