だが、その後の国による超小型モビリティの規格化が進む中で、高コストなi-ROADが量産の壁を越えることはなかった。
話をリーンモビリティに戻そう。リーンモビリティのリーン3は、パッと見はi-ROADに似ているが、後輪駆動・前輪操舵である点が、i-ROADとはまったく違う。
確実に量産することを見据えて、リーンすることを変えずにシステム全体を新設計しているのだ。
台湾や日本のみならず、グローバル市場を見渡すと、ここまで大きくリーンするタイプの次世代モビリティは極めて珍しく、大量生産するケースとしては事実上、世界初となるだろう。
そのため、アーリーアダプターの個人が興味を示すのは当然であると同時に、CO2など温室効果ガスの排出量を開示するサスティナビリティ基準が、日本を含めてグローバルで適合される中で、特徴的なEVを導入したいという企業のニーズにも合致しそうだ。
“ハードウェアありき”ではないエコシステムの構築
ただし、次世代モビリティが普及するキモは、過去にあったさまざまな失敗事例を見れば明らかなように、“ハードウェアありき”ではなく、人の行動変容と意識変化をともなう社会全体の変革との“つながり方”をどのように構築するかにかかっている。
いわゆる「エコシステム」という領域だ。その観点で、リーンモビリティは「今後の展開予定」として、次のように発表している。
将来的には、車両から収集した走行データを統合管理プラットフォーム「LeanX」に集約し、料金最適化・車体機能の維持向上・OTAアップデートを推進します。
単なる車両販売にとどまらず、利用価値を起点とした「Car Lifetime Value」モデルへと進化し、都市交通のMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)化、自動運転モジュールの導入、ロボタクシー運用までを視野に入れています。
こうしたエコシステムを実現するには当然、さまざまなパートナーとの連携は必須で、リーンモビリティがマネタイズに対するイニシアチブをどう取るかが、同社の事業成長に向けたカギとなる。
