日本でも、東京オートサロン2026(1月9~11日:千葉県幕張メッセ)で業務提携を明らかにしたオートバックスのブースで、量産型リーン3を初公開している。日本での価格は169万8000円で、デリバリーは台湾と日本ともに今夏を予定している。
こうして台湾と日本で量産事業に向けて船出をしたリーンモビリティ。プロジェクトを引っ張る谷中氏の顔は、安堵の表情というよりも清々しいと表現するのが適切だろう。
この企業は明らかに、新たなるステージに入ったとの印象を持った。そのうえで「あれからもう13年ですね」と谷中氏と顔を見合わせた。
トヨタ「i-ROAD(アイロード)」の開発を経て
谷中氏との出会いは、2013年3月のスイス・ジュネーブショーだった。トヨタからは事前に「パーソナルモビリティのコンセプトカー、トヨタi-ROAD(アイロード)を出展する」との情報公開があった。
実際、プレスデー初日にトヨタブースで走行するi-ROADを見ると、乗り物としてこれまで見たことがないような動きに驚いた。走っているのではなく、“華麗に舞っている”といった印象なのだ。
よく見ると車体全体が、大きくリーン(傾斜)している。リーンして旋回するといえば、バイクや自転車などの2輪車の特徴だが、そうした動きとも違い、なんだかドリフトしているようにも見える。それを、クルマを運転するような乗車姿勢で実現しているのだ。
システムとしては、前2輪にインホイールモーターがあり、前2輪の上下動を緻密にコントロールしながら後輪で操舵を行うという画期的なモビリティだった。
当時、トヨタは欧州や日本で実証実験を行い、社会実装を目指していた。日本では2014年に愛知県豊田市内で行った実証実験「Ha:mo(ハーモ)」で、i-ROADを活用。
これは、トヨタが取り組むスマートモビリティ社会を“見える化”する試みで、通信によるコネクテッドやエネルギーマネージメントなどを通じて、次世代モビリティと社会をつなぐ構想だった。
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【駆動輪と操舵輪が逆になった理由】
