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アメリカが戦争終結に向けた新たな提案を検討、イランは今後2日以内に仲介役のパキスタンを通じて回答を送る見通し

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(写真:ブルームバーグ)

イランは、米国の戦争終結に向けた新たな提案を検討している。事情に詳しい関係者が明かした。約10週間に及ぶ戦争の終結を求め、中国も6日、国際的な外交圧力に加わった。

この関係者によると、米国が提示した1ページの覚書は、イランが受け入れれば、ホルムズ海峡の段階的な再開とイランの港に対する米国の封鎖解除につながる内容だ。現時点では何も合意はなく、イランの核開発計画に関する詳細な交渉は、後の段階で行われる。イランは今後2日以内に仲介役のパキスタンを通じて回答を送る見通しだという。

トランプ米大統領は6日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「イランが合意するなら『壮絶な怒り』作戦は終了し、ホルムズ海峡の封鎖は終了する。合意しなければ爆撃を開始する」と投稿した。 

米国とイランの覚書については、米ニュースサイトのアクシオスが6日、米国がイランとの戦争の終結に向け、合意に近づいているとみていると報じた。

一方、イランの国営プレスTVは、イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍の司令部を引用し、「侵略者の脅威が無力化され、新たな手続きが導入されたことで、ホルムズ海峡を通る『安全で安定した通航』が確保される」と報じた。ホルムズ海峡に関する新たな手続きの詳細には言及していない。

報道などを受け、ブレント原油は一時10%以上下落し、1バレル=100ドルを下回った。世界の国債も上昇幅を拡大した。

中国の王毅外相も6日、訪中したイランのアラグチ外相に対し、「戦闘再開は賢明ではない」と述べ、米国との恒久的な停戦を目指して交渉を継続するよう促した。

トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡で船舶の航行を支援する米主導の作戦を一時停止し、戦争終結に向けた合意がまとまるかを見極める考えを示したSource: Bloomberg

トランプ氏は5日、ホルムズ海峡を通過できずにいる船舶の航行を支援する米主導の作戦を一時停止し、戦争終結に向けた合意がまとまるかを見極める考えを示した。この作戦はイランの強い反発を招き、停戦の維持が危ぶまれていた。

戦争終結に向けた交渉は、4月中旬の初回協議が合意に至らず終了して以降、行き詰まっている。

トランプ氏は、米国とイスラエルが2月に爆撃を開始して以降続いている戦争の終結に向け、イランとの交渉で大きな進展があったと繰り返し述べている。だが、ホルムズ海峡の対応など主要な問題を巡り、米国とイランには依然として意見の隔たりがある。

米国はイランの核濃縮計画の終了も要求しているが、イランのペゼシュキアン大統領はこれを非現実的だとしている。

イランの半国営ファルス通信によると、ペゼシュキアン氏は5日、「米国はわが国に最大限の圧力政策を追求する一方で、イランが交渉の場に着き、最終的に一方的な要求に従うことを期待しているが、そのような構図は不可能だ」と述べた。

トランプ氏の課題は、国内で批判が高まっているイラン戦争を終結させつつ、エネルギー価格引き下げに必要なホルムズ海峡の支配をイランから奪うことにある。米国のガソリン価格は6日、2022年7月以来初めて1ガロン=4.50ドルを上回った。11月の中間選挙を控えた共和党にとって打撃となり得る上昇が続いている。

英国海軍によると、ホルムズ海峡では5日も貨物船への攻撃があった。米国は、ホルムズ海峡周辺の閉鎖により、約2万2000人の船員を乗せた1550隻以上の商船が、湾内に足止めされているとしている。

ギリシャの海運リスク会社マリスクスのディミトリス・マニアティス最高経営責任者(CEO)は6日、ブルームバーグテレビジョンで、海運業界は、イランや他の主体による妨害のリスクなく、ホルムズ海峡を安全に通過できる保証を求めていると語った。

著者:Jennifer A Dlouhy、Omar Tamo

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