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不適切な会計処理を指導する特命の監査部長を置いたり、提出する相手に応じて複数の決算書を作成したりと、最近の粉飾決算は隠蔽するためのさまざまな策が弄されている。
手口そのものは昔と変わらないが、隠蔽の手法が巧妙になったことで、われわれのような信用調査会社の担当者であっても、不正会計を見破ることは容易ではなくなっている。
とはいえ、1カ所でも数字をいじれば、どれだけ隠そうとしてもつじつまは合わなくなる。年間数百社の決算書分析で培ったノウハウや、粉飾決算にだまされた経験のある調査員たちは、そうした決算書に「違和感」を覚える。
在庫を水増しして利益を確保
そんな事例の1つが、1月5日に60億円の負債を抱え東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したジュピターコーヒーだ。喫茶店向けのコーヒー豆や食材の卸売業者として1971年に創業。96年ごろから小売りへと軸足を移し、全国に店舗網を拡大した。
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