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また2017年、当時の安倍晋三首相と財務省による汚職が疑われた、いわゆる「森友学園問題」では虚偽を強要された官僚が自殺した。しかし、彼に命令した上司たちは処罰されるどころか栄転した。
こういう前例を見ても、政権与党、あるいは政権を支える側の行政であれば「与党の利益になることをやっていれば不法行為にならず、グレーで逃げ切れる」という実態がある。
半世紀近く前にも同様なケースが問題に
党大会への参加では、以下のような先例がある。1979(昭和54)年4月27日の参議院本会議で、当時の社会党所属の野田哲(てつ)議員が大平正芳首相に質問している。
野田哲:去る2月11日、宮城県民会館において開催された「建国記念日奉祝宮城県民大会」と称する集会は、自主憲法の制定、一世一元の法制化実現をスローガンに掲げ、大会決議としても同様の趣旨を採択しています。この集会に、陸上自衛隊東北方面総監柏葉陸将が参加し、あわせて陸上自衛隊東北方面音楽隊がこの集会に協賛して参加している事実があります。このような、現行憲法を否定し、元号法の実現を図ろうとする特定の政治目的を持った集会に自衛隊の高級幹部や音楽隊が参加するという行為が容認されていいのでしょうか。このような行為が公然と行われることにこそ、今回の憲法理念に逆行する元号法案提出という政府の政治姿勢が自衛隊にまで投影して、絶対越えてはならない枠を踏み越える行為に走らしていると指摘をしなければなりません。自衛隊の最高指揮官である総理は、このような自衛隊の行動にどのような見解を持たれるのか、明確な答弁を求めます。
大平正芳:先ほど建国祭の祝日のお祝いに自衛官が参加したことにつきまして、そのこと自体には問題がないのではないかという御答弁を申し上げたわけでございますが、野田さんの御質問は、さらにその大会が特定の政治的な目的を持っておったものであると、そういうところに出てまいることは適切でないじゃないかという御指摘でございました。私が伺っておるところによりますと、その自衛官は、そういう会合がそういう政治的目的を持って催されたものであるというようなことは出席するまでは存じなかったというように聞いておりまするけれども(発言する者多し)自衛官は公務員でございますので、その立場を逸脱するようなことのないように、慎重な行動は常に心がけていただかなければならぬと考えております。
大平首相がここで示したのは、党派性のない集会だと思って参加したら、実は改憲が目的の集会であった。それを参加した自衛官は知らなかった。知っていれば参加しなかった、政治的な集会と知っていれば政府の見解としても問題があるとの認識だ。つまり、政府の見解としては「政治色の強い集会に自衛官が参加するのは慎め」という話だ。荒井陸幕長はこの政府見解を逸脱してもいいと思っていたのか。
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【矜持を失いつつある自衛隊】
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