4月27~28日の日銀金融政策決定会合は市場予想通り、政策金利(無担保コール翌日物レートの誘導目標)を0.75%で据え置くことを決定した。
争点化している中東情勢の緊迫に伴う原油高については明確にインフレ押し上げ要因と解釈する一方、交易条件悪化などを通じた景気の下押し要因とも見なされ、そのリスクバランスの軽重がつけられないとの判断から利上げを見送った格好である。
おおむね事前想定通りのロジックに基づいた決定だが、9名の政策委員のうち、”タカ派”筆頭格であった高田審議委員、田村審議委員の両名に加え、中川審議委員も合わせ、3名が反対票を投じている。植田体制下で3名の反対票は初めての動きだ。
3名ともインフレ上振れリスクへの警戒を挙げており、低い実質金利の放置が円安を通じ現状を悪化させることへの警戒感を抱いていることが推測される。
スタグフレーションの色合い
実際、改定された展望レポートでは、インフレ率に関して踏み込んだ上方修正が行われている。
生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の前年度比上昇率(中央値)に関し、2026年度が2.8%と前回(1月分)から0.9%ポイント引き上げられ、27年度は2.3%と0.3%ポイント引き上げられた(今回から追加された28年度は2.0%)。
今回の展望レポートは「中東情勢について、今後、その影響が和らぐもとで、原油価格が下落し、サプライチェーンの大規模な混乱は生じないことを前提に作成している」とあり、「見通し期間の終盤にかけて、(原油価格が1バレル)70 ドル台程度まで下落していく」ということになっている。28年度に2.0%へ収束するのはそうした背景がある。
かたや、実質GDP成長率見通しは26年度が0.5%と0.5%ポイント引き下げられ、27年度も0.7%と0.1%ポイント引き下げられている(28年度は0.8%へ持ち直す)。
予測期間の大半を通じてインフレ率は上がり、成長率は下がっているため、率直に評価するならばスタグフレーションの色合いが増しつつあるということになる。
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