さらに印象的だったのは、13年の出演作。
冬の「書店員ミチルの身の上話」(NHK総合)では不倫、宝くじ当選、殺人事件などが次々に起きて翻弄される女性、夏の「SUMMER NUDE」(フジテレビ系)では主人公に10年間片想いをする一途なヒロインを演じ分け、以降は“可憐ながらたくましさを持つ波乱万丈な女性”の役柄が増えていきました。
主演を務める機会が増えた10年代は、戸田さんの転換期と言っていいでしょう。それを自覚していたのか、戸田さんはより良い作品にするためにプロデューサー、監督、脚本家などと話し合う機会を増やしたそうです。
「受け」「待ち」ではなく自ら動く
また、それを続けるうちに自分の成長だけでなく、「共演者にもいい作品に出会えたと思ってほしい」「視聴者にいい作品を観れたと思ってほしい」という思いが強くなり、現場でのディスカッションや役作りへの模索を進めていきました。
その真摯な姿勢は現在話題の「地獄に堕ちるわよ」でも健在。「『今生きている人たちが知っている人を演じるってここまで責任重いのか』ってビビっちゃって」と語りながらも果敢に挑み、スタッフやキャストとのコミュニケーションを重ねた様子がうかがえます。
私たちが「戸田さんの演技に魅了される」「戸田さんが演じる人物に説得力を感じる」のは、そんな「自らアプローチしていく」という能動的な姿勢によるものではないでしょうか。
芸能界に限らずビジネスシーンでは、立場が上がるほど「受け」「待ち」になりやすいものですが、積極性と謙虚さを併せ持つ姿勢に感心させられます。
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【「命」や「今やるべきこと」への意識が強くなった理由】
