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200万円のシーサーも売れる "忘れ去られた場所"だった《沖縄の壺屋》が復活…「やちむん」が人気を集めるまで

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やちむん
沖縄の伝統工芸品「やちむん」の現在に迫る(写真:筆者撮影)
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独特な色合いが目を引く壺屋焼のシーサー(写真:筆者撮影)

近年の外国人観光客は中国、台湾からが多いが、富裕層の爆買いや営利目的の高額転売といった問題はいまのところ起きていない。高江洲氏は「一部の人気作家さんの作品ではあるのかもしれませんが、良くも悪くもそういう話は聞きません」とする。

国内外問わず、陶器好きの人たちが、沖縄のやちむんに興味を持ち、それぞれの考え方や生活にあわせて好きな器を選んで購入する。そんな文化民度の高い客がほとんどという。

火を入れる前の窯に陶器が並べられている(写真:筆者撮影)

「壺屋の良さは流行に流されないこと。それを追って時代に消費されて翻弄されることなく、常に一定の状態でいるのがいい」(高江洲氏)

その姿勢がやちむんの文化のひとつであり、愛好家だけでなく一般層の購入者の民度の高さにもつながっていそうだ。

陶器やシーサーなどを作る際に出た余分な土を再利用するために再生する土練機。余った土を水と混ぜて練り、圧をかけて空気を抜くと棒状の土になって出てくる(写真:筆者撮影)

観光需要の高まりによって生じる危惧

国重要文化財に指定されている新垣家住宅の登り窯・東ヌ窯。週末は公開されている(写真:筆者撮影)

壺屋やちむん通りへの観光客は増えているが、現在はその弊害は表れていない。中国政府による日本渡航自粛要請の影響もとくに目に見えてはないそうだ。

「壺屋やちむん通りが、急に観光客でどっと混雑する様子はあまり想像できません(笑)。文化への意識が高い人が、一定の割合で増えてほしいという願いはあります」(高江洲氏)

これからの課題は、観光客が増え続けるなか、歴史ある通りの景観や雰囲気をコントロールしながらしっかり守り続けていくこと。高江洲氏は「この街と通りの質をこれからも高めて、未来に伝えていかないといけない」と言葉に力を込める。

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【地価の急騰を危惧】

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