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200万円のシーサーも売れる "忘れ去られた場所"だった《沖縄の壺屋》が復活…「やちむん」が人気を集めるまで

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やちむん
沖縄の伝統工芸品「やちむん」の現在に迫る(写真:筆者撮影)
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型を使ってシーサーを作る職人の工房(写真:筆者撮影)

ちなみに育陶園では、約3000品目のなかで、価格帯は数千円から上は品物によって幅広いが、高級品で器が4万〜5万円、シーサーが20万〜30万円ほど。

注文生産のシーサーの最高額は200万円ほど。その120cmの巨大シーサーは、あるホテルに置かれているという。

カラフルな壺屋焼シーサーは土産物として人気がある(写真:筆者撮影)

一般企業に届かない職人の報酬向上への課題

一方、ものづくりの現場に共通する課題である、職人の生活の厳しさは、やちむんも例外ではない。

昔は、ゼロからのスタートになる職人には修業時期があり、3年ほどでようやく給料がもらえる時代があったが、現在は最初から雇用になり、まず最低賃金で育成していくという。

ろくろで陶器の形を作る壺屋焼職人(写真:筆者撮影)

窯元としては、伝統工芸の発展に向けた職人の待遇向上を掲げるが、持続的な運営との両立はなかなか難しく、一般企業の給料水準には届かない状況が続いている。

ただ、生活をしていけないことはなく、育陶園では技術レベルによってステージを設けて報酬に反映することでモチベーションを高めつつ、彼らの生活を支える。また、勤務形態や休日取得、有休消化など働きやすさの面においては、一般企業以上の充実した環境を構築している。

育陶園の工房内の様子。奥はガス窯(写真:筆者撮影)

こうした実情を知ったうえで、職人を志望する人は後を絶たず、離職率も低い。とくに昨今は、人手不足とは無縁という。

それでも高江洲氏は、職人の待遇向上のために、手仕事の価値の啓蒙やニーズの高い商品をいかに作るかに尽力する。その結果、今年は15%ほどの昇給を実現している。

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【爆買いや営利目的の高額転売はある?】

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