日本が輸入している「ノルウェーサバ」は、主に食用サイズまで成長したサバです。塩サバや加工用原料としても重宝されてきました。後述するように、日本のサバとは違って、さまざまな呼び名があるわけではありません。
一方で、日本で漁獲されたサバには、さまざまな呼び名があります。日本海や九州で水揚げされるサバでよく使われているのが、「ローソク」「豆サバ」「極小サバ」といった呼び名です。これらは、主に市場や水揚げ情報で使われます。
三陸から銚子にかけては「ジャミ」「ジャミジャミ」という呼び名で、今では成長乱獲によって獲れなくなってしまいましたが、かつては大量に水揚げされていました。そして、これらの呼び名に共通しているのは、ノルウェーでは絶対に漁獲しない「小さすぎて食用にならないサバ」であるという点です。
日本で水揚げされて「食用にならないサバ」の行方
ところで、ローソク、極小サバ、豆サバは大量に獲られていますが、店頭などで目にすることはまずありません。なぜなら、食用にならないサバは食用とは別のルートで冷凍保管された後、養殖場に直行するからです。
実際に目にすることはなくても、ネットで水揚げ情報を検索すると普通に出てきます。その最大の問題は、水揚げに占めるサバ幼魚の比率です。ノルウェーなど北欧諸国では、食用にならないサバの幼魚を避けて漁獲します。これは、漁業者や漁船ごとに割り当てられている漁獲枠が、実際の漁獲能力よりはるかに少ないからです。このため、漁業者自らが、資源の持続性と経済性を考え、将来の資源にも経済的にもよくないサバの幼魚を避けて漁獲するのです。
これは、日本のように、漁獲枠が大きすぎて、見つけたらサイズにかかわらず一網打尽にしてしまい、資源を次々に崩壊させてしまう資源管理制度とは根本的に異なります。なお、これは漁業者が悪いのではなく、資源管理制度の不備に問題があります。漁業者は魚を獲る仕事です。自分が漁業者側だったらと考えれば、すぐにわかることです。
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【高値で輸入し、低単価で小型サバを輸出する矛盾】
