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ライフ #神童だったあの子の今

「歩くより先に簡単な足し算ができた」《ギフテッド》だった彼が天才性失っても手に入れられてよかった"普通の幸せ"

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永田さん
永田さんは東大を卒業後、都内のベンチャー企業で“普通の会社員”として働いている(写真:永田さん提供)
  • 新倉 和花 東京大学法学部卒・麻雀プロ
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高校は愛知県立明和高校に進んだ。野球を続けながら受験勉強もして、2020年に東大理1に現役で合格。大学では教育学部に進み、1年のころから教育系の企業でインターンを始める。

いまはその会社で、高校生向けの講義パッケージを作ったり、実際に学校に行って授業をしている。

天才ではなくなった。でも別の生きやすさを手に入れた

選んだ進路はいわゆる“数学の天才”の一本道とは異なって見えるが永田さんは今の生活が幸せだという。

「勉強って何のためにするのか、なぜ今この科目に向き合う必要があるのかといったことを、高校生と一緒に考える仕事です。営業として学校を回ることもありますし、現場で話すこともある。僕は、この仕事がすごく好きなんです。

昔の自分みたいに、ある一部の能力だけが突出している子もいれば、何をやりたいかわからない子もいる。そういう高校生たちに対して、『勉強ってしんどいよね』と言いながら、『でも、そのしんどさに向き合う意味を一緒に考えよう』と話せる。これは、いまの自分だからこそできる役割なのかなと思っています」

自身の経験から、親や教育者に伝えたいことを聞いた。

「まず、『子どものやりたいことを尊重しよう』という考え方自体は、すごく大事だと思います。でも、それだけでは足りないとも思っています。
そもそも、多くの子どもって、最初から『これがやりたい』とはっきり思っているわけじゃないんですよね。野球ボールもサッカーボールもピアノも、知らなければ好きにもなれない。

だから、親の役割は2つあると思っています。1つは、子どもが選べるだけの選択肢を用意すること。もう一つは、その子の安全や将来を考えて、必要なところでは止めたり、逆にやらせたりすることです。

やりたいことをやらせるだけではなくて、『これは避け続けると危ない』『これは最低限できるようになったほうがいい』というラインを見極める。

それともう一つ大きいのは、子どもの特性に対して、周囲の大人が“見て見ぬふりをしない”ことです。個性を尊重することは大事ですが、それが『何も言わないこと』になってしまうと危うい。僕自身、野球部で先生や友人にかなり率直に言ってもらったから変われた。

子どもの“おかしさ”って、宝でもあるし、放っておくと本人を困らせるものにもなる。その両方を見ながら関わるのが、大人の役目なんじゃないかと思います」

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【別の生きやすさを手に入れた】

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