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母の再婚相手「大学なんて穀潰し」進学妨害された鮎川ぱて氏が東大ボカロ音楽論の超人気講師を経て得た"呪いからの解放"

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鮎川ぱてさんのアイコンイラスト
鮎川ぱてさんのアイコンイラスト(イラスト:鮎川さん提供)
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今回の記事で、最後に先生モードになって1つ覚えていただきたいキーワードを紹介させていただくと……テンポラル・ノーマティビティという概念があります。時間的なノーマティビティです。

18歳の次に大学に行く、22歳になったらネクタイを締めて会社勤め、30歳くらいで結婚して子供を産んで、35歳までにはマイホームローンを始めたほうがいいよねとか、何歳にこうすればいいよね、をめぐる普通さ、規範のことです。

これもセクシュアル・ノーマティビティと同じように相対化されるべきものです。ノーマティビティは、透明な怪物として、社会の中のいろんな場所を徘徊しています。

50歳で結婚してもいいし、70歳で大学に入学してもいい。濱井さんのように、どうしても入りたい大学に9年かけて合格してもいい。触ったことのないピアノを習い始めてもいい。『◯歳にもなってわざわざ〜をするなんて意味ない』という声こそ無視してください。

人生は限られている。だからこそ、外野の怪物の声にそそのかされることなく、いまやりたいことを、好きにやっていってほしいと思います。少なくとも僕はそうしています。あなたに『もう手遅れ』なことなど存在しない。

テンポラル・ノーマティビティに縛られなくていい。そのことをお伝えしたくて、このインタビューをお受けしました。

『今まで奪われてた分は/取り戻すまでさ!』。OmoiさんというボカロPの代表作『テオ』(2017年)の一節です。あなたが何歳でも、あなたが取り戻したいと思うものを、取り戻してください。僕はそうしています」

AI生成による鮎川ぱて氏のイメージ。フェミニズムを論じているからには女性だろう、というAIの推論による。AIはときにノーマティビティを象徴し、強化する側面も持っていることに注意してほしいという(画像:鮎川さん作成)

「もう手遅れ」なことなど存在しない

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東大と藝大の教壇に立ちながら、東大の院生を続けている鮎川さんは、これからも自分の人生を通して、ノーマティビティ批判を追求していかれるのだろうと感じることができました。

鮎川さんは2025年、ヨーロッパ最大規模のロンドンの美術館、バービカン・センターのキュレーションにより、ロンドンのTrans VoicesとベルリンのMONOMと国際共同作品を発表した。同作は2026年、日本巡回予定。TRANS VOICES, ILĀ & MONOM, with contribution from Patty Ayukawa「UN/BOUND」(2025)
教訓:“普通さ”を批判し続けることが重要

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