実際に中野坂上駅を訪れてみた。改札内にある端末の近くに立って様子を観察していたら、予想以上に端末を使っている人が多いことに驚いた。2人連れの1人が改札を出られず、遠隔で駅員に「改札を出られません」と伝え、駅員の指示に基づきその場でカード処理が終わって改札を出ると、2人が「すごいね」と話している声も耳にした。
AIと連携で乗務員支援も
バディコムには外部ソフトと連携できる仕組みもある。京王電鉄はAIを活用した乗務員の業務支援にも今年3月からバディコムを活用することにした。乗務員マニュアルや運転取り扱い実施基準などの膨大な規程類を参照させたAIとバディコムを連携させて、音声やテキストで業務に関する質問をすると、AIがデータベースを検索して回答する。これにより、情報を探し出す時間を大幅に短縮できる。
乗務員は基本的にはこうした規定類はすべて頭に入っているが、「念のため確認したいといったときに書類を取り出してページをめくって調べるよりも手軽なので、休憩中などに業務用携帯でAIとトークしながら知識やノウハウをどんどん吸収してほしい」(宿本氏)。異常時などの現場でも効力を発揮しそうだ。
日本で鉄道の運行がはじまってから150年。鉄道車両やインフラ整備だけでなく、働き方においてもDX化が急速に進んでいる。DX化によって業務上の負担が軽減され、働きやすい環境が構築できれば、成り手不足と言われる鉄道の現場も状況が変わるかもしれない。
