鉄道業界におけるバディコムの活用は、乗務員や指令員の情報伝達ツールという枠を超えて広がっている。
たとえば、東京メトロはバディコムを活用して、旅客用の遠隔案内端末を開発した。改札口付近に設置されたタブレット端末に表示された呼び出しボタンを押すと、駅事務室にいる駅員と通話できるというものだ。端末に設置されたICカードリーダーにカード等を置けば精算やカード処理も可能となる。
多言語対応で外国人客も使えるほか、音声ガイドやチャット機能も装備してバリアフリーにも対応する。3月に青山一丁目、淡路町、中野坂上、東銀座の4駅に設置され、2028年3月までに全駅に導入する計画だ。
遠隔対応で駅員の負担減
この端末の開発を担当した東京メトロ・鉄道本部営業部の玉尾サリーム氏に話を聞いた。
東京メトロの駅はすべての改札口に駅員がいるわけではなく、改札から出られないといったトラブル時には、客は改札の脇にあるインターホンで駅員を呼び出す。「駅員が到着するまでに時間がかかるし、要請があるたびに移動するのでは駅員にも負担が大きい。遠隔端末で対応できれば、旅客にも駅員にもメリットが大きい。よいツールはないかKDDIに相談したところ、バディコムを紹介された」。導入の経緯について玉塚氏はこう語った。また、トランシーバーアプリというバディコムの機能にも注目した。
「AI機能を使っていろいろなことができるツールは何度もボタンを押してようやくつながるといった複雑なものなので、それよりはボタンを1回押せばすぐつながるというシンプルな形のほうがお客様にとってもよいのでないかと考えた」(玉尾氏)
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