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鉄道で導入進む「通信アプリ」現場負担減らせるか JR、京王、メトロ…スマホがトランシーバー代わりに

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バディコム 車掌 京王電鉄
業務用スマホで通信アプリ「バディコム」を利用する鉄道乗務員(写真:京王電鉄)
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バディコムは無線機と携帯電話の“いいとこどり”。アプリをインストールするだけで、距離に関係なくリアルタイムで音声通話、映像配信が可能だ。

専用のブルートゥースイヤホンやスピーカーマイクと連携すればハンズフリーで運用できる。すべての通信は自動録音され、文字起こしも可能なので後で報告書を作成するときに役に立つ。翻訳機能があるので多国籍の現場でも円滑に連携でき、地図と連携することでユーザーの位置情報が確認可能となり、指定範囲のユーザーと会話するといったことができる。

バディコムのような無線アプリを提供する会社はNECネッツエスアイ、モトローラなどがあり、マイクロソフトのTeamsにもトランシーバー機能がある。しかし、「音声通話、映像配信、文字起こし、翻訳、MAP通話、AIといった機能をすべて提供しているのは当社だけ」とサイエンスアーツの担当者は胸を張る。

「バディコム」の画面イメージ(写真:サイエンスアーツ)

列車無線の「補完」に導入

大規模災害などにより4G/5Gなどの回線が混雑してつながりにくくなる懸念はないのか。この点については、「衛星インターネット通信などと連携し、地上インフラが停止した環境でも通信を継続できる」と担当者は太鼓判を押す。2024年1月の能登半島地震の際も石川県内の消防本部で利用され、効果を発揮したという。

鉄道会社の場合は列車無線を使って運転指令所と乗務員のやりとりが行われているが、それを補完する形でバディコムの導入が進む。

京王電鉄は2022年8月から全駅、全車掌のグループコミュニケーションツールとしてバディコムを導入している。同社鉄道事業本部鉄道営業部の宿本昂氏は「乗務員室に固定されている列車無線が指揮命令系統のトップであることは変わらない」としたうえで、「バディコムは現場の状況を乗務員室に戻らずに、その場で連絡できる便利な補助ツールだ」と説明する。

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