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「吹奏楽部の指導」はまるで都市伝説、呼吸法も高音奏法も「エビデンス」がない?《指導の質》を高める科学的検証の必要性

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吹奏楽イメージ
吹奏楽部は地域展開の中、「指導の質」をどう担保すべきか(写真:V-MAX/PIXTA)
  • 渡郶 謙一 北海道教育大学音楽文化専攻合奏研究室 21世紀現代吹奏楽レパートリープロデューサー
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筆者は、この研究メンバーだった若槻氏の活動に期待を膨らませている。より精度の高い、「口唇の筋肉機能を内蔵した新型人工口唇」の開発に取り組んでいるのだ。

25年の日本音響学会音楽音響研究会での発表によると、若槻氏は、従来の人工口唇は人間の口唇機能を十分に再現できていないと考え、その検証のために、マウスピースを付けた人間の口腔内をファイバースコープカメラで撮影し、演奏時の口唇の振動を計測した。その結果、人工口唇の吹鳴時とは異なり、高音域では口唇の振動範囲が横方向に縮小する一方、縦方向には明確な変化が見られなかったという。

「科学的検証」と「音楽人の感性」のすり合わせ

この結果は、吹奏楽界に存在する「高音時にアパチュア(唇の隙間)を小さく」という指導とも一致している。つまり、従来の人工口唇と実際の人間の唇では、高音吹鳴時に違いが見られたわけだ。

この違いを生むものは何か。おそらく、唇の構造、皮膚と筋肉、歯と唇の関係、アンブシュア(奏法時の口の形)を構成する口輪筋および取り巻く諸筋肉の関係性等が、影響しているのではないかと思う。私たち音楽人が感覚的に持っている吹奏楽の経験値を、若槻氏らが取り組んでいるような科学的検証とすり合わせていくと、解明されるかもしれない。そうなれば、上手な演奏者と初心者の口唇の振動の違いも明らかとなり、よりよい指導法が見いだせるかもしれない。

これからの時代は、科学者の研究に音楽人も関心を向け、子どもたちの管楽器教育にあたる必要があるのではないだろうか。

奏法の論理的な理解を深め、普遍度の高い要素に裏打ちされた指導法を確立し、管楽器演奏の質を上げることが、「吹奏楽部の再構築」の重要な土台になることに疑問の余地はないはずである。

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