そして、ワインディングではまさに水を得た魚。マス集中した軽量な車体を生かした切れ味鋭い走りが自然にできてしまう。コーナー進入で軽くきっかけを与えると、車体はスッと向きを変え、そのまま軽やかに旋回していく。ハンドルをこじる必要はなく、下半身で軽く合図を送るだけでいい。セルフステアの出方がとにかく素直で、ライダーに余計な仕事をさせないのだ。
興味深いのは、操作している感覚の変化だ。従来のモンスターは、どこかでライダーに対して働きかけてくる存在だった。しかしこの新型は違う。性能はたしかに高いのに、それを誇示しないし、ライダーに“腕”を求めてこない。手強さは微塵もないのに、その気になればどこまでも応えてくれる。走っていて無用な緊張感が生まれないのがいい。
無駄を省くことで見えるモンスターの価値
新型モンスターは、“速さ”や“凄さ”を誇示するためのバイクではない。ライダーが主役でいられる時間を、さりげなく引き出してくれる存在だ。削ぎ落とすことで見えてくる本質。その原点の思想を現代の解釈でここまで昇華させたことに、このモデルの価値がある。まさに“新世代モンスター”と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。
